今回の買取品は、マテル社バービー人形の衣装セット Red ‘N White ‘N Warm – Japanese variant と Red Flare #939 です。
バービー人形の誕生
ルース・ハンドラー(Ruth Handler)は、アメリカの玩具メーカー マテル社(Mattel, Inc.) の共同創業者の一人であり、バービー人形を生み出した人物です。
1916年生まれのルースは、1950年代というまだ女性経営者が珍しかった時代に、玩具業界の最前線で企画と発想を担っていました。ルースは単なる経営者ではなく、おもちゃを通して、子どもがどんな考え方や生き方に触れるのかを真剣に考えていました。
彼女がその問題意識をはっきりと持つようになったのは、自分の子どもたちの遊びを見ていたときでした。娘のバーバラがなりきって遊べる役割は、赤ちゃんや病気の人の世話をする看護師、あるいは母親役が中心。
一方で、息子は消防士にも宇宙飛行士にも医者にもなって遊んでいる。
その差はあまりにも大きく、「女の子の未来は、看護師か主婦、と最初から狭く設定されているのではないか」とルースは感じます。そこで彼女は、「女の子だって、何にでもなれるはずだ」という考えに行き着きました。その思いから生まれたのが、“将来の自分”を投影できる人形という発想です。
バービー誕生の背景
開発の直接のきっかけになったのは、娘が紙の着せ替え人形で遊ぶ姿でした。
人形の服を替えることで役割や立場を変えていくことができる、この遊び方に、大きな可能性を見出します。
さらに、当時ヨーロッパで人気を集めていた大人の体型を持つファッションドールからも影響を受け、「リアルな大人の女性像」を人形で作るアイデアを実現化することを考案。
こうして誕生したのが、1959年3月9日、マテル社から発売されたバービー人形です。
正式名称は バーバラ・ミリセント・ロバーツ(Barbara Millicent Roberts)。
これは、ルースと夫エリオット・ハンドラーの娘、バーバラの名前に由来しています。
マテル社は世界観を売る玩具メーカー
マテル社は、1945年にアメリカ・カリフォルニアで設立された玩具メーカーです。
創業者は ハロルド・“マット”・マトソンと エリオット・ハンドラー。
社名の「Mattel」は、Matt(マトソン)+El(エリオット)を組み合わせたものです。
創業当初、マテルは人形メーカーではありませんでした。
最初に作っていたのは、写真立てやドールハウス用の家具などの木製品です。
この「ミニチュア家具づくり」の経験が、のちに人形とその周辺アイテムを精密に作る土台になります。
マテルは、服や靴、バッグに加え、家や車、職業アイテムが用意されることで、バービーの遊びは着せ替えにとどまらず、「どこで、誰として、どんな一日を過ごすのか」を想像する世界へと広げていきました。これはつまり、「一度買って終わり」ではなく、「子供の成長につれて買い足していく」ことを前提にした商品展開となっています。
なので、Red ’N White ’N Warm Japanese variant や Red Flare #939 のようなセットは、衣装や小物が細密に作りこまれているのです。
今回買取品―ビンテージ衣装
今回の買取品は、バービー人形のビンテージ衣装 Red ’N White ’N Warm – Japanese variant と Red Flare #939 です。
Red ’N White ’N Warm – Japanese variant
Red ’N White ’N Warm – Japanese variant(レッドンホワイトンウォーム ジャパンヴァリアント)は「Red ’N White ’N Warm #1491」の、日本市場向けに配色や仕様が変更されたと考えられているバリエーションです。
セット内容
- 白いジャケット(凹凸のある素材)
- 白いロングブーツ
- 赤いつば広のハット
- 赤いショルダーバッグ
- ローウェストベルトの赤いドレス
Red Flare #939
Red Flare(レッドフレア) #939 は、1960年代初期のバービー用ファッションアイテムとしてリリースされたクラシックな衣装セットです。
セット内容
- 鮮やかな赤いダブルのフレアコート
- 上半身がシルバー、スカート部分が赤のローウェストドレス
- 赤いピルボックス(小さな円筒形で、頭のてっぺんにぴったり乗る横長の帽)ハット
- 白と赤のツートンハンドバッグ
- 赤いヒール 等
このファッションはエレガントで洗練されたスタイルが特徴。1960年代のモードを反映しされています。コートのスイングライン(体を動かしたときに 裾が大きく揺れる[スイングする]よう設計されたシルエット)や小物まで細かいディテールが再現されており、当時の大人ファッションの雰囲気が感じられます。
どちらの衣装にも、その時代の“理想の女性像”が形となってはっきり表れています。
子どものおもちゃにしておくにはもったいないぐらいの、おしゃれな、コレクター心をくすぐる品です。外装は古くなっていますが、未使用品の貴重な品を買い取らせていただきました。ありがとうございました。