【硯の最高峰】端渓の瑞祥硯（中国書道具）を買い取りました

カテゴリー:書道具・香道具

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  今回の買取品は書道で使用する硯（すずり）です。

  瑞祥硯（ずいしょうけん）とは

  一般的に「瑞祥」は「吉兆」や「めでたいしるし」を意味する言葉です。このことから、「瑞祥硯」は縁起の良い名称として用いられている可能性があります。ただし、具体的な製造元や歴史的背景についての詳細な情報は、現在のところ確認できておりません。

  端渓（たんけい）とは

  端渓は、硯石の産地の名前です。中国広東省肇慶市の爛柯山（斧柯山）周辺から採取される石を「端渓石」と言い、これから硯が造られます。その歴史は約1400年前、唐の武徳年間（618～626年）に始まると伝えられています。

  端渓石で作られた端渓硯は「硯の最高峰」とされ、古来より皇帝や高級官僚に献上され、希少で収蔵価値が高いとされてきました。

  よい硯とは

  硯には、墨を効率よく、質良く磨るために、以下のような性能が求められます。

  • 墨の伸びが良い：磨った墨がさらっと紙の上を流れ、筆運びに抵抗が少ないこと。

  • 墨色が美しい： 磨った墨の色が濃く深みがあり、光沢や透明感を伴うこと（にじみや色ムラが少ない）。

  • 下りが早い：少し磨っただけで濃い墨が出る（＝短時間で高品質な墨を得られる）。

  • 磨る力が衰えない： 長年使っても硯面がすり減りにくく、性能が維持されること。

  • 墨が涸れにくい（かれにくい）： 一度磨った墨が硯の上で長く乾かず、作業中に使いやすい状態を保てること。

  この性能は端渓石の特徴です。

  硯の重さについて

  この硯は重さが約2キロ。重さも品質に大きくかかわります。

  硯が重いことのメリット

  <1> 安定性がある
  重い硯は使用中に動きにくく、墨を磨る際に余計な力がいらないため、安定した作業ができます。これは特に机の上で墨を磨るときに大きなメリットです。

  <2> 石質が緻密であることが多い
  一般的に重い石は密度が高く、緻密な石質であることが多いです。これは、墨の摩擦が滑らかになる、墨色が美しくなる、長持ちする（耐久性が高い）といった、硯に求められる重要な性質につながります。

  <3> 高級品に多い
  特に端渓硯などの名硯では、石の採れる層（老坑など）によって密度や重さが異なり、重いものが希少かつ高価な場合もあります。

  とはいえ、重ければ必ず良い硯、というわけではありません。たとえば、重くても石質が荒いものや、磨り面がうまく仕上がっていないものは、高品質とは言えません。

  また重たい硯は持ち運びには不便です。出先で使う、教室で持ち歩く、といった用途には重さがデメリットになります。携帯用には軽くて小さい硯の方が適しています。

  今回の瑞祥硯には使用感があり、やや傷や汚れがありますが、良品を買い取らせていただきました。ありがとうございました。

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