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この道数十年の私が考える、日本の骨董品の日本人と外国人の考え方の違い

カテゴリー:アンティーク買取ブログ

【更新日】2024.09.20

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このお店をオープンする以前から、骨董品などの査定や買取に携わっておりました。その間、日本の古い品物に興味を持つ日本人と外国人の人たちの考え方は、大きく違うということを、たくさんの経験を通して知ることができました。これらの違いは、文化的背景や歴史的な要因、そして経済的な視点など、多岐にわたる要素から生まれています。以下に、その主な相違点をご紹介したいと思います。

価値観の違い

【日本の場合】骨董品を精神的な価値を重視する

日本では、骨董品は単なる物品以上の意味を持ちます。古くから受け継がれてきた文化財や伝統工芸品として、その価値を重視する傾向が強いのです。日本人にとって、骨董品は祖先や先人たちから受け継がれてきた宝物であり、日本の豊かな歴史や文化を象徴するものとして捉えられています。

例えば、茶道具や掛け軸、古美術品などは、その美しさだけでなく、使用された際の歴史や、作り手の想いなども含めて評価されます。また作り上げる技術を身に着けるまでの鍛錬の期間についても思いを馳せます。そのため、骨董品は単なる物質的な価値だけでなく、精神的な価値も含めて大切にされる傾向があります。

また、「もったいない」という日本独特の概念も、古いものを大切にする姿勢に影響を与えています。

【外国の場合】投資対象としての価値を重視する

一方、多くの外国では、骨董品をより実利的な観点から捉える傾向があります。主に芸術品や投資対象として、その価値を評価する傾向が強いのです。外国人コレクターにとって骨董品は、芸術性や希少性、そして市場価値といった物質的な価値に重きが置かれることが多いです。

例えばヨーロッパの骨董品市場では、古い家具や絵画、宝石などが人気を集めています。これらの品物が価値があるとされるのは、芸術的な価値が高い、とても珍しいものだから、あるいは将来値段が上がるかもしれないという期待があるからです。つまり、これらの品物は、コレクションとして楽しむだけでなく、将来的な利益を期待して投資対象として捉えられていることが多いということです。

捉え方の違い

【日本の場合】骨董品には歴史や文化、人の営みなどストーリーが込められる

日本人は、骨董品を単なる物体としてだけではなく、その背後にある豊かな物語や文化的な文脈を含めて捉える傾向が強いです。骨董品には、それが作られた時代の歴史や文化、そしてそれを大切に守り続けてきた人々の思いやストーリーが込められていると考えられています。

例えば、一つの茶碗に対しても、その作り手の技術や想い、使用された茶会の様子、所有者の変遷など、様々な角度からその価値が語られます。そのため、骨董品は単なる物としてではなく、それらが作られた背景や、守り受け継いできたストーリーも含めて大切にされる傾向があります。この姿勢は、「物語」や「由緒」を重んじる日本の文化的特性とも深く結びついています。

【外国の場合】骨董品は単なるモノ、美しさや希少性が大事と捉える傾向

一方、多くの外国人コレクターは骨董品を主に物質的な観点から捉え、その美しさや希少性、そして市場での評価といった要素を重視する傾向にあります。骨董品の背景にあるストーリーよりも、その物自体の芸術的価値や、コレクションとしての価値、そして投資対象としての将来性に注目することが多いのです。

例えば、西洋の美術市場では、有名な芸術家の作品や、特定の時代や様式を代表する骨董品が高く評価されます。これらは主に、その芸術的な質や歴史的な重要性、そして市場での需要に基づいて価値づけられます。そのため骨董品は、美術館やプライベートコレクションの展示品として、あるいは資産価値の高い投資対象として捉えられることが多いのです。

ヨーロッパとアメリカでの考え方の違い

外国人の中でも、ヨーロッパとアメリカでは少し異なる部分があるように考えます。

ヨーロッパにおける考え方: ヨーロッパでは、骨董品は主に芸術品や投資の対象として高く評価されます。例えば、18世紀の家具やルネサンス期の絵画は、その美しさや希少性が重視され、高額で取引されることが多いです。特に投資家にとっては、骨董品の市場価値や資産としての価値が大きな関心事となります。このような価値観は、ヨーロッパの歴史的背景や文化、特に個人主義や資本主義の影響を反映しています。

アメリカにおける考え方: アメリカでも、骨董品はしばしば投資対象としての価値が強調されますが、ヨーロッパと比べると、より広範なアプローチが見られます。アメリカは歴史的に新しい国であるため、欧州ほどの深い歴史的背景を持つ骨董品が少ない一方で、多様な移民文化の影響を受けており、異なる文化からの骨董品に対する関心が強いです。また、アメリカでは、骨董品の収集を趣味やライフスタイルの一部として楽しむ文化も強く、必ずしも投資価値だけが重視されるわけではありません。

これらの違いは、アメリカとヨーロッパそれぞれの文化や歴史的背景に根ざしており、それが骨董品に対する捉え方や扱い方に反映されています。

まとめ

このように日本人と外国人では、骨董品に対する価値観や捉え方に大きな違いが見られます。これらの違いは、それぞれの国の文化や歴史、経済的背景、そして価値観の差によるものと考えられます。特に、自国の文化に根ざした骨董品であるかどうかが、その捉え方に大きな影響を与えているように思われます。

例えば、日本人が西洋の骨董品を見る際や、またその逆の場合には、それぞれの視点が混ざり合い、新たな価値観が生まれることもあります。このような文化間の交流は、骨董品の価値をより多面的に理解し、評価することにつながっているのです。

グローバル化が進む現代において、これらの異なる価値観を理解し、尊重し合うことが重要です。日本でも海外でも、過去の先人たちが大切に守ってきた骨董品を、その多様な価値を認識しながら次世代に受け継いでいくことが、文化の継承と発展につながるのではないでしょうか。

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