【二人の巨匠の魂の共鳴】音楽CD ARTUR RUBINSTEIN THE CHOPIN COLLECTION 11枚 CD BOXを買い取りました

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  ルービンシュタインについて

  アルトゥール・ルービンシュタイン（Arthur Rubinstein, 1887–1982）は、20世紀を代表する存在として今なお広く知られているピアノ奏者です。
  彼の演奏は、単なる技術や表現力の高さにとどまらず、人間味のある音楽で多くの聴衆を魅了しました。

  ポーランド生まれのルービンシュタインは、幼いころから非凡な音楽的才能を示し、8歳でドイツに留学。
  10代で国際的な演奏家としてのキャリアをスタートさせます。以降、彼は世界各地で演奏活動を行い、晩年に至るまで音楽と共に生き続けました。

  彼の演奏の魅力は、「正しさ」よりも「音楽の生きた流れ」を大切にする姿勢にあります。
  細かなミスにこだわらず、その瞬間に生まれる音の呼吸や表情を重視する。
  その自然体な音楽作りが、聴く人に深い安心感と温かさをもたらしました。

  なかでも評価が高いのが、ショパン作品の演奏です。

  ショパンについて

  フレデリック・ショパン（Frédéric Chopin, 1810–1849）は、ルービンシュタインと同じくポーランドに生まれた作曲家で、主にピアノ曲に特化した作風を貫きました。

  ノクターン、マズルカ、ポロネーズ、バラード、ワルツなど、今日でも多くのピアニストが取り上げる作品を数多く残しています。

  ショパンの音楽には、華やかさだけでなく、祖国ポーランドへの郷愁や、繊細で詩的な感情が深く刻まれています。
  彼は1830年以降フランスに拠点を移し、その後ポーランドの地を踏むことはありませんでしたが、マズルカやポロネーズの中には民族的なリズムや旋律が濃密に息づいています。

  ルービンシュタインがショパンを弾く、ということ

  ルービンシュタインもまた、自らのポーランド人としてのアイデンティティを強く持ち続けていました。
  第二次世界大戦中にはナチスによるポーランド侵攻に激しく抗議し、その後ポーランドでの演奏を拒み続けたことでも知られています。

  だからこそ、彼がショパンを弾くとき、そこには同じポーランド出身であるという共感と、音楽を通じて失われた祖国に語りかけるような思いが感じられるのです。

  その結晶が、1960年代に録音された「ステレオ版ショパン全集」（RCA Red Seal）です。ノクターンやワルツ、バラード、マズルカ、ピアノ協奏曲までを含むこの全集は、現在でも「ショパン解釈の基本」として多くのピアニストに影響を与えています。

  ルービンシュタインはかつてこう語りました。
  「ショパンを美しく弾くことは簡単だが、正しく弾くことは難しい。」
  この「正しさ」とは、単に楽譜通りに忠実であることではなく、作曲家の内面的な情感や音楽の自然な呼吸を理解し、それを音で表現すること。

  彼の演奏はまさにそれを体現しており、情緒に流されすぎず、冷静すぎもしない絶妙なバランスで、聴き手の心にまっすぐ届きます。

  ショパンが祖国への思いを音楽に託したように、ルービンシュタインもまた、その音楽に自らの信念と感性を重ねました。二人の人生は重なることがありませんでしたが、深いところで響き合っているのです。

  本品は30年以上前にリリースされたもので、現品にはやや汚れや傷がありますが、一部未開封です。
  良品を買い取らせていただきました。ありがとうございました。

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