【大変価値の高い写（うつし）】茶道具、通次阿山による仁清写 朝顔茶碗を買い取りました

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  今回の買取品は、茶道具、通次阿山（つうじあざん）による仁清写（にんせいうつし） 朝顔茶碗（あさがおじゃわん）です。

  作家、通次阿山

  通次阿山（号）は、昭和から平成にかけて活躍した京焼の陶工です。
  彼は、江戸時代の名陶工・京焼の祖と称される、野々村仁清（ののむら にんせい）の作風を「写す」ことで評価を高めました。

  仁清は、色絵（いろえ）という絵付け技法を用いて、四季の草花や自然の美しさを茶碗に描き出した名人です。
  その優美さは、まるで絵巻物を手に取るようだと称されるほど。

  阿山は、その仁清の美意識を継承し、現代に再現する役割を果たしました。

  「写」とは何か？

  「写」とは、過去の名工による優れた作品を模倣・再現したものを指します。
  模倣といっても、ただのコピーでも贋作でもありません。
  技術と美意識をもって、原作の本質に迫ることができるもの、それが「写」です。

  「写」でも価値がある理由

  なぜ「写」でも価値があるのかでしょうか。

  技術の証明

  まず、写しは原作にどれだけ迫れるかが問われます。
  通次阿山のように、仁清作品の再現で評価された作家は、その時点で高い技術力を持っていた証です。

  文化継承の意義

  仁清のような江戸時代の名品は、国宝級になることも多く、日常使いはできません。
  写しは、文化を守り、茶の湯の世界に生き続けさせるための手段として機能しています。

  現代的な評価

  現在、通次阿山の作品は、美術市場や茶道具の専門店でも一定の価格と評価が付いています。
  これは「写し＝贋作」ではないという証でもあります。

  朝顔茶碗の魅力

  この茶碗には、「朝顔（あさがお）」が描かれています。
  朝顔は、夏の訪れを告げる花。日本の風物詩ともいえる存在です。

  茶碗の形も口の広がった「朝顔形（あさがおがた）」と呼ばれるもので、口の広がりによりお茶が冷めやすいことから夏の茶席向きとされています。
  
  つまりこの茶碗は、図柄と機能が一体となった、意匠を凝らした季節の道具なのです。

  大変価値の高い茶道具を買い取らせていただきました。ありがとうございました。

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